聖隷クリストファー中・高等学校
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朝のお話(野間先生)~人生は選択。目の前のことだけに集中せよ~

グリム童話のお話を紹介します。

一匹のいもむしが、リンゴの木に住んでいました。

ある嵐の晩、いもむしはリンゴの実ごと吹き飛ばされ、川に落ちてしまいました。

いもむしは、リンゴの実に乗ったままどんどん下流へと流されていきました。

いもむしは思いました。

『僕は、きっとこのまま海に流されて、魚か鳥に食べられるか、干からびて死んでしまうんだろうな。』

そう思うととても悲しい気持ちになりました。

『でも今できることをしよう。今日だけとりあえず、今日だけ生きてみよう。』

そう決めるといもむしは、自分の乗っているリンゴの実を少しずつかじり始めました。

「リンゴの舟」が転覆しないようにバランスをとりながら、ゆっくりと。

やがてリンゴの実は皮一枚残すだけになりました。

あとひとかじりしたらきっと穴が開いて、リンゴの舟は沈んでしまうでしょう。

いもむしは思いました。

『もう、僕にできることはないかな。もうやれることはやったよ。』

そうつぶやくとじっとして動かなくなりました。

数日が過ぎて、そのリンゴの舟から一匹の美しい蝶が飛び立ちました。

グリム童話のお話は以上です。

高校3年生は進路を選択するときがいよいよやってきました。就職試験を皮切りに、推薦入試、一般入試と続いていきます。その試験を突破するために、それぞれ試験に向けての準備をしていることと思います。ただ、その準備が思うようにできていない人は、焦ったり、自分を責めたりして苦悩しているかもしれません。

また、高校3年生だけでなく、高校2年生、1年生、中学生も、それぞれ毎日の学校生活を頑張って過ごしていると思います。でも、テストで思うような成績が取れなかったり、部活で活躍ができなかったり、弱い自分に勝てなかったりして、悔しい思いをしている人も多いかも知れません。

人間は誰でも苦しくなると逃げたくなります。試験に向けての準備がうまくいっていないということになるとなおさらです。しかし、苦しいところから逃げると、成長しません。次、同じような苦しいことがあると、また、逃げてしまいます。自分の人生を切り開くチャンスとして、立ち向かって下さい。

人生は選択です。あらかじめ決まっている運命などありません。あなたが決めるのです。就職試験や大学受験を受ける高校3年生は、良い結果にむけて、行動してください。今、なすべきことは、「目の前のことに集中すること」です。苦しくなったら、とにかく「目の前のことだけに集中すること」です。明日のこと、来週のこと、来月のこと、自分が受ける本番の試験のこと…。何事も心配し始めるときりがありません。目の前の授業に集中し、休み時間や放課後、やるべきことをしっかりとこなして下さい。どの時間も本番の試験だと思って真剣に立ち向かって下さい。

いもむしは、自分にこれから起こることを想像し、悲しい気持ちになりました。でも、「今できることをしよう。」と思い直し、やれることからやり始めました。みなさん、頑張って下さい。

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